
コラム
自分を観察する訓練をはじめた人が気をつけておきたいこと
2025.08.31
本日のコラムは、マインドフルネス、自己観察、自己分析など、自分を観察する上で気をつけたいことを取り上げていきます。
人間が、落ち着かない状態になること、ネガティブになるのは、心の働き上自然のことです。
何かをきっかけにした反応にすぎません。
この反応とは何かを学んで知り、否定的な状態に陥ってしまったときは、自分を責めないようにしましょう。
本題に入る前に、なぜヨーガに実践と智慧の学びの両方があるのか、この説明をしていきます。
現代は、自分を観察する訓練がヨーガの実践にあたり、人間の構造と魂について学ぶことが学びに相当します。
どっちかだけで良いのではと考えたいところですが、両方必要な理由が、自己観察を行う上で気をつけたいことに関連します。
もし、心の働きも、心と身体のつながりも、どうなっているのか中身を知らなければ、自己観察のどこを観るのか対象をつかめません。
自分自身に観察の意識を向けたことで、ネガティブな思考や感情が、逆に勢力を増すことになってしまいます。
これは、人間の中身を知らない無知なまま向き合うことによる自然の反応です。
自己観察は、メンタル体が未発達な状態で始めると、混乱という経験がはじめにやってきます。
誰でも混乱は経験しますが、ヨーガ・スートラの理解によってメンタル体が鍛えられている人の混乱は、震度が小さくなります。
ヨーガ・スートラに、観察の態度を「無執着」という言葉で表されていることに注目してください。
そして、初心者のうちから自分の心と身体の反応に対して、観察の意識=無執着を向け続けることができる人は、まずいないということに安心してください。
早急に結果を求めると、落胆します。そして、何年やったからという時間で成果を期待することも勧めません。
自己観察や自己理解などの非認知能力は、これだけの量をこなせばできるようになるというスキルではなく、人間の器や人生経験、精神的に大人であること、忍耐力や精神力も必要なのです。
ヨーガ教室のレッスンに限らず、社会経験や人間関係も自己観察の上達に必要なレッスンです。
私は、インドでヨーガの道に生きる師を目の前にしたとき、この静けさと落ち着き、揺るぎない意志の強さが統合した人間になるまで、どれほどの人生経験があっただろうと思いました。
そう思って、始めたばかりの自分の足元を見たものです。
上手くいかないからと言って泣き言を言っていたら、先に進まず来世も同じところでつまづくでしょう。
繰り返していることに気づくこと
バガヴァッド・ギーターによると、人が転生すると、前世で達したヨーガの段階まで辿ると説かれています。
喜ばしいことですが、よく考えると、そうでもないようです。
心には、繰り返す働きがあるため、「同じことを今世でもしますよ」という意味でもあるのです。
これは、着目すべきところです。
自分を観察する訓練で苦しい思いをしたとき、師に、「あなたが苦手と思っているところ、学んでも理解できないところ、そここそが、今世で必要なヨーガなのですよ」と教えていただきました。
魂が引き寄せる縁
現代のヨーガは、学んで理解すること、それを、実践と関連させることです。
現代人の魂は、魂がどのようなものかを知ることで目覚める段階に進化しています。
魂が目覚めると、苦手だと思うこと、避けてきたこと、人生の課題に健康的な心で努力できるようになります。
自我は、避けること逃げること、どうやって回避できるか、頭で必死に考えます。
魂は、過去に避けてきた痛みを伴う問題の克服を願い、その道を辿るようにあなたを促します。
自我が導く人生と、魂が導く人生は、違います。
自我は、無理やり、我慢、しぶしぶ・・こうした感情が伴います。
魂は、課題に対する勇気と智慧のある人物を引き寄せ、あなたに克服させるように仕向けます。
あなたの魂は、情報の中からでも、草の根わけて必ず本物を見つけ出します。
そして、あなたが自分の心を観察しても、あなたを落胆させることはありません。
自分を観察することによって自己否定や落ち込みに陥ってしまったら、それは、心が心を否定している、心の見るから魂の観るに、きりかわる通過点なのだなと思って進んでください。
自己観察による自己否定に脱線していたら、すぐに気づいて方向転換してくださいね。
大丈夫、安心してください。
私も通過した道です。
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