
コラム
人とAIの協働社会に向けた認知科学「ヨーガ・スートラ」
2025.07.26
100年つづいた人類の霊的進化の計画は、2026年が最終ゴールです。
なぜ、2026年がゴールなのか、AI時代と言われる今この現状をみるとわかります。
その実現手段は、前々回のコラムからのテーマ「ヨーガ・スートラの認知科学」です。
ヨーガは、時の流れで流行やビジネスによって形を変えながらも、核心は変わらず、「魂を軸とした人類の進化」に貢献しています。
ヨーガに、人間の欲望や誤解のヴェールをかけらることも、宇宙視座からみれば咎めることではないのです。
人間に、歪曲を起こさないための知性と、叡智を正しく活用するための心の品格が目覚めれば、起こり得ないことだからです。
宇宙は、人間の進化を、ただただ静かに待っているのです。
この知性と心の品格は、人間とAIの知性が協働する時代に向かっていく今、一人ひとりに必要です。
テクノロジーに盲信することなく、精神を堕落させず、時代に乗って生きることができます。
SNSで、AIに人類が支配されるのでは・・・という不安を煽るような話題を目にすることがあります。
無意識にこの話題を見ていると、動画のとおりの現実を心が想像していくことでしょう。
AIに支配されるのではなく、自分の未熟な心に支配されるのです。
そして、未熟な心のままAIを使い続けていけば、恐れの投影や誤用が生まれます。
逆に、魂とつながった心がAIと協働すれば、人類史上もっとも美しく新しい創造ができるでしょう。
AIは、人間の想像力を拡張する力をもっています。
同時に、人間の内なる感性を退化させる裏面も抱えています。
それが何なのか、みていきましょう。
2026年以降、AIによって失う可能性のあるもの
【1】問いを抱き続ける心
現代人の多くは、苛立ちが「すぐに知りたい」「すぐに答えが欲しい」という人格に化し、わからないという状態に耐えられません。
AIは、このイラ立ちに即座に応える便利さがあります。
ここから失うものは、魂の成長、深い気づきです。
魂は、あなたのわからないままに留まる余白の中で目覚めます。
・なぜ、この道を選んだのか?
・本当に私はこれを望んでいるのか?
・私にとって生きる意味とは?
・なぜ今、こんなことが起きているのか?
これらの根源的な問いは、魂の目覚めを喚起します。
答えがわからなくても内側に向かって問い続ける力、人生の波に耐える力、沈黙に身をゆだねる力。
この力に呼応して魂は目覚めます。
しかし、AIを使うことですぐに答えを得られる世界になればなるほど、この力は劣化していきます。
【2】体験を消化する自分で意味づけする力
人は、自分の人生に起きたことを、自分で咀嚼し、意味づけをしながら知性を高めていきます。
この知性は、仕事上の合理的な知性より高位の精神的な知性です。
ですから、人生に予期せぬ事態が起きたときこそ、この力が育っていく時期なのです。
しかし、AIはこの成長プロセスを代行し、「こう考えるといいですよ」と示してくれます。
これは、他者が意味づけしてくれた現実です。
自分の痛みを感じつくし、そこから意味を見出す内的成長の停止をもたらします。
人生の意味を頭では知ってるけど、心がついてこない。
わかるけど、その意味を生きていない、という中身の空洞化が起こります。
魂の成長は、生きて痛みを感じ、痛みの意味を知ることでしか起こりません。
この成長には、時間と余白、心の葛藤が不可欠なのです。
【3】魂の声の微細なささやき
AIは、大量の情報を集約し、合理的な提案をしてくれます。
一方、魂の声は、具体化されていない抽象的で微細な感覚です。
これを昔の人は、「虫の知らせ」「野生的カンが働く」などと表現しました。
言葉にならない微細な指針は、あなたの内側に余白ができたときに届きます。
AIによる答え探しが常識になると、人は人生の主人公であることを放棄し、他者の意見にゆだねる依存型の人格を形成していきます。
この人格と魂の心は同調できないため、その人の存在感は希薄になります。
【4】自己との内面的対話
本来、人間が育てていくべきことは、自分で感じ、問い、揺れながら、自分の内側から答えを見出す力です。
人は、この経験によって人間の器を深めていきます。
しかし、答えが即座に出される世界では、自分の内側に深く降りていく時間を持てません。
結果、自己との対話のない人生になります。
人間的成熟、内的統合といった魂の成長が抜け落ちていきます。
人とAIの健全な協働のための教育
では、AI時代を生きていかなければならない今、しておくべきことはあるのでしょうか?
そのために、「ヨーガ・スートラ」の認知科学があります。
この科学を通じて、人の認知レベルを利己的な自我から、利他的な真我のレベルに拡大させることです。
そうすることで、AIの誤用、テクノロジーの盲信、SNS依存に陥らず、それらを健全に活用し、これまでにない人生を実現できるようになります。
ヨーガ・スートラの認知科学は、単なる情報リテラシーや、自我を基準にした「自分らしく」生きることではありません。
自分以外の外に答えを見出すことが、常識化していく時だからこそ、
本質的な答えは自分の内側から導き出せるように、あなたの魂を目覚めさせるのです。
AIに問う前に、自分に聴く。
話す前に、聴く。
最後に、この科学を実らせる学び方をアドバイスいたします。
科学は、料理と一緒
科学的に認知を拡大させる方法は、一度はじめたら、間を空けずに取り組むことが必要です。
これは、熱したフライパンで目玉焼きを作る様子を想像するとわかります。
生卵を割って、熱したフライパンに落としたら、状態が固体化するまで火で熱し続けますよね。
ヨーガ・スートラの認知科学は、これと同じです。
心の形が”ある状態に”変わるまでは、一定の同じことを続けることが大切です。
定期的に、間を空けずに続けることを意識してください。
ヨーガ・スートラのコーチングは、前回のコラム内でご紹介しております。
8月のヨーガレッスン、個人指導のご案内は、こちらをご覧ください。
