
コラム
“魂の器"としての身体に整え、妄想の渦から意識を救い出す
2025.06.09
心が落ち着かないとき、頭の中に記憶がよみがえって苦しいとき、
“自分の内側の混乱”を感じながらも、
大抵の人が、どうしたらいいかわからず、ただ苦しみが通過するのを待つしかありません。
でも、本当は、どうしたらいいか、答えは出ているのです。
身体を見てください。
呼吸が浅くなっている。
胸が縮こまっている。
姿勢が崩れ、身体の中心がズレている。
肩に力が入っているのに、それにすら気づいていない。
気づいていても、行動に出られないくらい、記憶の回想に身体が縛られてしまう。
この状態になってしまったら、身体の静けさを取り戻すことが先です。
これは、ヨーガレッスンの最も基本であり、最も本質的な教えです。
「心を整えよう」とする前に、まず身体を調律します。
そうすれば、思考も感情も、段々と落ち着いていきます。
当方のヨーガレッスンで、最も大切に指導していることは、
足で大地を踏むように立ち、
背骨をまっすぐに保つことです。
それは、単なる正しい姿勢ではなく、
“魂が身体を使って立つ”という意味を現すこと。
ひとつの祈りなのです。
呼吸も同じです。
浅く早い呼吸では、心はすぐにざわつきます。
でも、深く静かな呼吸になったとき、
身体のすみずみがほぐれ、
心も静かに落ち着いていくのです。
だから、ヨーガレッスンは、
ポーズから始まるのではなく、
乱れた姿勢と呼吸を整えることから始まります。
そんなヨーガレッスンにご参加くださった生徒様から、ご感想をいただきました。
どのようなご体験をしてくださったのでしょう。
ヨーガは日常のせわしない、雑な様相を帯びた部分を心と身体から外して、静かな心を養い、
姿勢、骨格を整え、魂を戴くことのできる器になれるように私たちを調整していくものなのだ、と本日のグループレッスンで感じました。
1時間半のヨーガレッスンで、日常生活のあれこれが脳裏に浮かんできても、
自分の思考や感情がそちらに囚われてしまう状態が解消され、
心の中は透明感、静寂感で満たされていきます。
先生のガイドに従って、呼吸と身体の動きを合わせながらゆっくり体を動かし、
筋や骨の動きを丁寧に観察し続けることで、
わいてきた雑念を元にああなったらどうしよう、こうなったらどうしようと
要らぬ心配をしたり、楽しい気分ではしゃぐ気持ちに自分が揺り動かされなくなっていきます。
そして、縮こまっていた身体はのびのびとし、
身体全体で自由に呼吸ができるようになっていきます。
レッスンの終盤には、わいてきた感情や思考をただ観ている意識が優勢になり、
単なる感情や思考から妄想の世界を自分の中に繰り広げることはなくなり、
静けさで心が満たされます。
心が透明感と静寂感で満たされた状態で,
先生のこのようなお話を伺って涙が流れました。
「静けさの中で魂が降りてくるのを待つ。求めない。」
「この歳になったら自分の健康ばかり求めない。魂のために使う。」
「自分のためではなく、利他の心で生きていきましょう。」
透明感と静寂感で満たされた心は、
「ヨーガは心と身体を浄化し、魂を戴いて利他の心で生きていけるように人間を導いてくれるものなのだ」
そう理解しました。
ご感想を寄せてくださり、ありがとうございました。
また、静けさの時間をご一緒できることを、
楽しみにお待ちしております。