
コラム
話す前に、聴く。ーー静けさの技法
2025.09.16
いつコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
ブログを書き始め、気づけば22年以上が経ちました。
SNSもAIもない時代から、ヨーガ一筋に発信し続け、今に至ります。
ヨーガの本質、智慧の世界観の美しさを、ご自身の可能性を見だしてくださるよう願い書き続けてきました。
人は誰でも、いつかは必ず、自分の心を知っていく時が訪れます。
そのとき、心の写し鏡であるヨーガに出会う。
そのときあなたも、真のヨーガに出会うだろうと思います。
そして、教え導いてくださる師を、あなたの眼識で見つけられるであろうと。
ヨーガにおいて必要なのは、見極める目。これは、基本中の基本の教えです。
しかし今、この識別力が育たない、情報があふれすぎた中にいます。
情報は、状況に応じた適切な内容を、落ち着いて受け止められなければ、逆効果になります。
現代は、ヨーガのポーズや呼吸法、瞑想法を、インターネットから自由に知ることができます。
どれも効果的に見えますが、それは、今のあなたに必要で、理にかなった手順で行った場合にかぎります。
インターネットには、星の数ほどの治療法が溢れ、それぞれの方法がそれぞれの効果と素晴らしさを主張しています。
しかし、それが、いつでもどんな時でも誰にでも効果があるということではないのです。
育った環境や両親の育て方、現在の家庭環境や仕事の内容、身体つき、心の状態そして、何より年齢が違います。
人が十人十色だからこそ、ヨーガは本来、一人ひとりの症状に合う方法で行うことが前提になっているのです。
同じ性質は、互いに強め合う
仕事や家庭、育児に追われ、一日があっという間に過ぎる感覚がある方なら、”反対の性質は、弱め合う”を適用しなければなりません。
この例えに該当した方に必要なのは、静けさです。バタバタの反対、静けさが力になります。
社会は常に変動し、SNSには言葉が溢れ、喧騒の世界です。
その中を生きるあなたは、静けさがどう力になるのか、想像がつかないでしょう。
バランスと中庸の感覚を身につけることは、ヨーガの基本です。
時間に追われ、生活も仕事もバタバタしていたとしたら、心身ともにどんどんバタバタしていきます。
このバタバタの性質が強まりすぎると、病気になってしまわないともかぎりません。
初期の兆候として、このような症状に気づくようになります。
・走り回っているわりに何も手に入らない。
・本当に大事なことが耳に入らなくなる。
・焦る、攻撃的になる。
・痒みや発疹が出る。
・関節の動きが鈍い、痛みが生じる。
もし、このような症状に覚えがあれば、逆の性質に触れるようにします。
心身に静けさを与え、内臓から神経、血の巡りまで、あなたのすべてを落ち着かせます。
すると、心は正しく考え、理解するようになります。
あなたの人生を見極める識別力は、静けさの中で働くということを覚えておいてください。
ですから、人に相談すればするほど迷います。
本当に大切なことは、静けさの中で悟れるもの。
静けさをを通して世界をみると、自分が他の誰とも同じではないことに気づけるようになります。
そして、自分が健康で幸せな気持ちであるためには何が必要なのか、自分で考えていけるようになります。
毎日の生活をどのように過ごし、仕事の内容や仕方、人間関係も含め、どのように生きれば、本当の自分に気づき、病気知らずの健康な身体になれるのかを、セミナーのときだけ思うのではなく、常に考え生きていけるようになります。
このライフスタイルを、これまでのヨーガで培うことができましたか?
あなたが、心と身体のバランスを、日常生活や仕事の中でもとれるようになったとき、あなたとヨーガの関係が一つ深まります。
仕事や生活のストレス、運動不足、生きづらさを克服するためのヨーガから、可能性を引き出すヨーガに向上します。
このコラムを読んでくださった方が、新たなヨーガの一歩を踏み出されるであろうと信じて、締めくくります。