
コラム
探しものは自分の内側に、静けさの処方箋
2025.08.08
昨日、駅前の図書館で、手にした本のタイトルを見て笑みがこぼれました。
「人生後半のひとり暮らしを穏やかに楽しむ〜60代から90代の身軽な住まいと豊かな日々」
「60からは喜びはかけ算 悲しみは割り算」
あと2年半後に、私、60代になるんだ・・・と、思ったのです。
目ではわからないけれど、生き方や価値観が、頑張って変わろうとしなくても、そうなっていくことが言葉なくわかります。
新しい極面へ変化していく力が及んできたとき、これまでの流れと違うことから、調和するまで少しばかりの痛みを経験します。
「少しばかり」になれたのは、年齢の恩恵です。
変化に気づき、なるべくしてなっていくように力を抜いていればいい。
年齢を重ね、そんなことを覚えることができました。
生きて、痛み、苦しんで、最後は、自然の力の前で脱力して。
私が今、皆さんにお伝えできるのは、「頑張って人生を変える」ではなく、「静けさのもつ力」です。
頑張って「変わる」、頑張って「なりたい自分になる」、頑張って「人生を変える」ことも試してきました。
でも、もっと早い道があったことも、進んだ先で振り返ったとき、わかりました。
探さなくても、そこに、変わらずに在ったことに。
静けさの力こそが、真の力といえる力であり、根源的な力の質をもっており、人間がどうやっても変えられない部分を変える力を秘めていることを知りました。
私たちに必要なことは、その「静けさ」を自分に満たすことだけ。
そうすれば、その静けさのなかで、あなたが求めていることは、自然となされていくようになっています。
自己信頼がなく、目に見えないものに確信を抱けない、そんな価値観があると、静けさに力があるなんて信じられないでしょう。
スピリチュアルな理想だと思うかもしれません。
そう認識をしてしまう、心の仕組みもわかります。
それでも、私は、気づいたのです。
私が出会った精神世界の先生方は、一般人とは違うただずまいであったことを。
生徒の私たちは、先生はスピリチュアルな人だからそうなのだろうと思い、それ以上の理由は考えませんでした。
でも、そうではなかった。元々は先生方も、私たちと同じ一般人です。
違いは、彼らはヨーガの科学によって、内側に永遠の静けさの力を目覚めさせ、宿したことです。
その結果、私たちが「何か先生は違う」と思わせる、たたずまいや能力を携えたのです。
彼らは、私たちにもその可能性があるということを証明してくれました。
生き方、在り方、存在を通して。
それを、直に感じることができた私は、幸せでした。
これまで色々な人と出会い、別れ、思い出から消えていった人も沢山いるけれど、彼らの存在は決して消えません。
ヨガナンダさんの伝記が今なお読まれ、映画にもなったように、魂で生きている人だからです。
人間を闇から光へ導く魂の力で生きる人間の在り方、言葉は、時空を超えて存在します。
その力は、静けさの中で目覚め、静けさを基盤に活動します。
だから、あなたも、あなたが本当に探しているものは、何なのか。
「人生を変える」
「なりたい自分になる」
この言葉で求めている本当のことを。
心の波が鎮まり、静かになったとき、わかりますよ。
だから、「静けさの力」を自分で生み出せるように、どこにいても何があっても、自分で取り戻せるように教えさせていただくことが、私の人生後半の静かな務めです。