
コラム
人生の転換期を乗り越えるためのヨーガ
2025.06.20
前回のコラムに引き続き、人生の転換期に立った人のヨーガをガイドしていきます。
私自身の体験を「あるヨギーニの自叙伝」というコラムにまとめたことで、
「私も今まさにその渦中にいます」と、そんなお声が届くようになりました。
ここでいう転換期とは、魂が”目覚め”てくる意識の転換期です。
魂が目覚めてくると、これまでの自分の価値観、仕事、交流関係が、違って映るようになります。
皆と一緒に大声で万歳三勝していた。
それが急にできなくなるような、そんな違和感。
不安、緊張、悩みも浮上してくるようになります。
所有物(名声、地位、承認、社会的鎧)を、失うかもしれないことへの恐れ。
お金に対する不安。
そうした”もがき”の中で人は、
この世界の精神的な面に意識が向うようになります。
そんなとき、自分の魂を意識するようになります。
けれども、魂は、“心の声”にすり替わってしまうことが、あまりに多い。。。
なぜなら、魂の声は“響き”。
心の声は“反応”。
一方がささやきなら、もう一方はメガホン。
この二つの声の間で葛藤します。
だから、この時期にたどり着いた人は、本当のヨーガに出会う傾向があるのです。
なぜなら、ヨーガ本来の目的は、魂と心の声の聞き分けの感性、識別力を育てていくことです。
魂の声と心の声を、あなたの中で「混ぜない」ための、“聞き分けの技術”。
芸術的な”心の技術”を身につけていくことが、ヨーガの目的です。
動作は、“思考に絡めとられた意識”を身体に戻すアプローチ
人生の転換期からヨーガを始める方へ。
どのように、何を課題にしていけばいいかお伝えします。
まず、身体の動きに意識を向けられるようになりましょう。
動き方は、かなりゆっくりです。
筋肉を力ませないで動くことを身につけます。
この絶妙なバランスで動作できるようになりましょう。
これは、心の声のボリュームを上げないために必要なことなのです。
これまでは、ポーズの形にこだわっていたとしたら、
人生の転換期からは、形のないものへ向かっていきます。
動きながら「観ている」状態を続ける練習が、日常の変容の鍵
動作に意識を向けられるようになったら、
その動作をしている自分を”観察”していきます。
これは、日常生活とは違う意識状態です。
ですから、動いている自分を観察しているつもりでも、
気づくと動作に没頭している日常の自分になっている。
はじめのうちは、このすり替わりにも気づかないでいる場合がほとんどです。
でも、大丈夫です。
レッスンを続けていると、”観察”が外れたことに気づけるようになります。
さらに、”観察”が深まっていくと、内側に”静けさ”が芽生えます。
”静けさ”は、魂の声を聞く精神力。
魂と心の声が衝突する”葛藤”の鎮静剤です。
魂の人生に入っていく道では、この鎮静剤を常備してくださいね。
迷った時、あなたの魂が師になり、答えをくれます。
この答えは、心を鎮め、魂とのつながりを受け入れる時間の中。
しずくの庵(いおり)のヨーガレッスンには、この時間があります。
心にふと落ちた一滴のしずくが、魂の深奥に静かに響いていくように。
頑張ってきたあなたが、立ち止まりたくなる人生の転換期。
バタバタと生き急ぐ日々から、静けさを取り戻したくなる魂の目覚めのとき。
何かを「足す」のではなく、一滴ずつ「余分なものが落ちていく」体験を。
「ただ坐る」という行為のなかに、
「ただ在る」ことの安らぎが、ふたたび息づきます。
しずくの庵のヨーガには、競争も評価もありません。
あなたのままで、静けさに身をゆだねましょう。
ヨーガは、あなたの中にある聖域(サンクチュアリ)と再びつながるための旅。
しずくの庵は、その一滴となる場所です。
あなたの呼吸と心にそっと寄り添うヨーガを、
静かに、ていねいに、お伝えしています。
あなたの本当の師は、あなたの魂です。
魂が目覚めると、人生は一人で背負うものではなくなります。
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