
コラム
【魂の詩】女性が心の鎧を脱ぐ場所
2025.05.24
忘れていたのは、涙の流し方ではなく、安心して泣いていい「場所」だったのかもしれません。
ここに来られた女性が、ぽつりとこぼされたひと言があります。
「先生のここは、私たちの“子ども部屋”みたい」
それを聞いた瞬間、私は胸の奥が震えて、言葉にならないほどの想いが、こみ上げてきました。
——何をどれだけ頑張ってきたのでしょう。
——どんな思いを、ひとりで抱えてきたのでしょう。
この場所を、「癒し」よりも深い場所にしたい。
魂が、ようやく居場所にたどりついたと感じられるような、そんな静けさの中に。
これは、「魂の静けさ」にふれる連作の第一話。
どうか、あなたの中の何かがそっと緩みますように。
「なんでだろう、先生といると涙が出てくるんです」
ふいに、そう言って泣き出された生徒さんの顔を、私は忘れません。
それは悲しい涙でも、辛い涙でもなく、
まるで…長い間、無理に止めていた泉がようやく流れ出したような、そんな涙でした。
多くの女性たちが、がんばりすぎています。
誰かの期待に応え、傷ついた心を見せずに笑い、弱音のひとつも、出せない場所に日々身を置いています。
ここに来られたある方は、こんなふうに言いました。
「ここは、私たちの“子ども部屋”みたい」
ああ、ここは
泣いても、崩れても、だいじょうぶな場所なんだ。
やっと、魂が安心して戻ってこられる場所なんだ。
そのひと言が、私の中に深く響きました。
癒しを超えた、“魂の居場所”としての静けさ。
ここで少しずつ、鎧を脱ぎませんか。
❖ 魂の詩:「鎧を脱ぐ場所」
だいじょうぶ
今日だけは
きれいでいようとしなくて
強くあろうとしなくて
優しくいようともしなくて
いいのです
泣いてもいい
言葉にならなくても
静けさは 何も責めません
張りつめた心をそっとほどく
柔らかな花のにおい
ふと聴こえる猫の声
それらに囲まれて
魂は、やっと
「帰ってきた」とつぶやくでしょう
ここは、あなたが 鎧を脱いで
あなたに もどる場所