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生きづらさの改善にヨーガを活用する上で欠かせないこと

2025.03.24

場の空気を読めず、その場にそぐわない言動を無意識にとってしまい、後で気づいて苦しくなったり、職場や身内など関わる人たちにも影響を与えてしまう困り感に、パーソナリティ障害と診断される精神疾患があります。

人間関係で生きづらさを抱えやすいことから、予期不安、孤独感、無気力など情緒的な生きづらさを引き起こし、その感覚からのがれるためのアルコール、摂食障害など悪癖につながっていく傾向がみられます。

この生きづらさに対するヨーガの指導現場における見解についてお伝えします。

人間関係の悩みを抱えつづけている相談者に共通するパターンがあります。

・よくない結果になるであろうことを想定できず行動してしまう
・前回と今回言っていることが一致せず相手を困惑させる
・相手と自分との境界線をよめず相手によけいなことをしてしまう
・相手の話を折る返答をして話の流れを阻害してしまう
・セルフイメージがコロコロ変わり相手を困惑させる

カウセリングをしていると、相談者の日常に人間関係の悩みにつながる上記のパターンを拝察できます。

人間関係において上記の反応、思考、知覚のパターンをとり続けることは、社会生活のなかで信頼を得られないため相談者には耐えがたい生きづらさです。

もう一つ共通していることがあります。

生きづらい、悩んでいる、ということはわかっていても、改善の道をたどれるほどの問題意識にはいたっていないということです。

そのため、一貫した改善法を続けて実践できなかったり、問題意識が逸れてあれをやったりこれをやったりチグハグなことをして悪化させてしまう傾向があります。

当方の指導現場では、人間関係による生きづらさの解決の糸口として、生きづらさを引き起こす自身の反応・思考・知覚のパターンに気づき、それを客観的にとらえられるようになる支援をしています。

ここで、指導側が注意しておかなければならないことがあります。

相談者が問題の原因に気づき、客観的にとらえられたとしても、その態度もコロコロ変わることを念頭に入れておかなければならない、ということです。

カウンセリングを通して(1回に限りません)、生きづらさの原因に到達できたとしても、相談者の反応と思考、知覚のパターンが変わっているわけではないからです。

次のカウンセリングでは、もう別のことに気が逸れていたり、今この段階ではまったく関係のないことを衝動的に良かれと思って行動したりしています。

相談者が一貫した問題意識をもち、解決の道を積極的に歩めるようになるまでは、指導側にヘレン・ケラーの指導者サリバン先生のような根気と先見の目が必要です。

相談者には、生きづらさにつながる反応、思考、知覚のパターンを、新たなパターンに入れ替えるまで継続したヨーガの実践が必要です。

生きづらさの原因になっている反応、思考、知覚を、魂・心・感情・身体と合わせて全人格的にみて、それらを善の質に向上させていきます。

そして、最終的にそれらが調和して働くようになった結果が新しい言動パターンです。

この向上と調和のプロセスを始めていく際、指導側に注意しなければならないことがあります。

善の方向とは逆の崩壊や悪化をまねくことを本人が引き起こしてしまうことがある、というリスクです。

これは、改善のプロセスにおける障壁で誰にでも起こり得ることです。

指導側は、この障壁があることを念頭にヨーガを活用しなければなりません。

このリスクマネジメントとして当方のヨーガ指導には、真理の学習・悪癖を良い習慣に入れ替えるヨーガレッスンの定期的な継続・人間関係のマナー、この三つを設けています。

この三つを一つのヨーガとして実践していけるようになると、改善のプロセスで出会うどんな障壁にも立ち向かえる自分に変わっていくからです。

心と身体の調和がとれていない人、ヨーガを活用して生きづらさを改善したい人は必須です。

この必須条件を自分に満たすことで、その場かぎりのリラックスのヨーガから、心身を改善して適応能力と反応性の向上を目的としたヨーガになります。

さらに、ヨーガのプロセスで遭遇する心の奥深くに潜在された問題の種、心身のバランスを悪化させる衝動的な行動を引き起こさないようにもなります。

当サロンでは、ヨーガの良い面だけではなく、リスクを十分にふまえ、上記の三つを一つのヨーガにして継続できる健全さが育つまで根気強く助言しています。

そして、この基本が十分にそなわったことを、善い方へ促す力に抵抗を起こさない心身に浄化されたかどうかを見極める判断基準としています。